株が下がったら、
買い足せば
お得?
平均の買値が下がると、
なんだか安心しそう。
でも、もうひとつ見る数字があるよ。
両方、見てみよう。
おかねちゃんの声で聴く
家事の合間や、ひと息つく時間に。
今日のお話を、耳からも一緒に。
※耳で伝わるよう本文を一部整えています。図・クイズは本文でお楽しみください。音声を開く ↗
「安く買えた」は、
「安心できる」と同じかな?
昨日は、10%下がったあとに10%上がっても、元通りにならないことを確かめたよね。
では、下がったところで同じ株を買い足したら? 最初より安く買えるので、1株あたりの平均の買値は下がります。
「これなら、少し上がるだけで元に戻れそう」。そんなふうに思うこともあるかもしれない。でも、平均の買値だけを見ると、見落としやすい数字があります。
今日は、買い足しをすすめる話ではありません。買う前に何を確認するかを、架空の数字で一緒に整理してみよう。
平均が下がると、
損失も減る?
1株1,000円の株を100株買ったとします。購入代金は10万円。その後、株価が800円になりました。
2つの例を、比べてみよう。
※架空の現物株の計算です。同じ株を追加購入する例で、手数料・税金・配当・株式分割などは考慮しません。実際の値動きや利益を予測するものではありません。
株価が800円になると、評価額80,000円。
購入代金との差は、20,000円の評価損。
(100,000円 + 80,000円)÷ 200株
= 1株あたり900円
その後の株価を、仮に変えてみよう。
どちらも同じ株価で比べます。
買い足さなかった例
- 持っている株
- 100株
- 購入代金の合計
- 100,000円
- 評価額
- 80,000円
- 購入代金との差
- 評価損 20,000円
100株買い足した例
- 持っている株
- 200株
- 購入代金の合計
- 180,000円
- 評価額
- 160,000円
- 購入代金との差
- 評価損 20,000円
100株を800円で追加すると、平均の買値は900円に下がります。でも、その時点の評価額は16万円。購入代金の合計18万円との差は、やはり2万円。
平均の買値が下がっても、
それまでの評価損が消えるわけではない。
増えたのは、
持っている株の数も。
買い足した後は200株。最初の100株のままの場合と比べ、株価が1円動いたときの評価額の変化も、100円から200円になります。
たとえば、その後の株価が600円になったら? 買い足さなかった例の評価損は4万円。買い足した例の評価損は6万円です。
反対に1,000円になれば、買い足した例には2万円の評価益が出ます。上がる場合だけでなく、さらに下がる場合も見ることが大切なんだね。
※ここでは投じた金額が違います。2つの例の損益額を比べているので、運用の優劣を同じ条件で判定したり、追加購入だけが損益差のすべてだと一般化したりするものではありません。
同じ株に追加のお金を入れると、その会社の値動きが家計に与える影響も変わります。「安くなった」だけでは、その会社の事業や将来の見通しまでよくなったとは言えません。
下がったところで買い足すことは「ナンピン」と呼ばれることがあります。今日は言葉を覚えるより、平均の買値が下がる一方で、その株に投じるお金も増えるという関係を持ち帰ってね。
「取り返したい」を、
買う理由にしないために。
評価額が減ると、早く元に戻したくなることもあるよね。その気持ち自体を責める必要はありません。
ただ、「このまま損したくない」だけで買い足すと、気づかないうちに、その株に回すお金が増えてしまうことがあります。画面の平均価格を整えることと、家計に合う投資を選ぶことは、別々に考えよう。
すでに持っていることをいったん脇に置いて、会社の中身や選んだ理由を確認。「自分の買値に戻したい」以外の理由を説明できるかな?
今回の追加額だけでなく、その株に投じた合計を確認。他の資産との偏りや、近く使う暮らしのお金に無理がないかも見よう。
上がる例だけでなく、下がる例も計算。購入前に考えた見直しの条件と、今の状況を照らし合わせよう。
買い足しを一律に否定する話でも、「下がったら必ず買う・必ず売る」という話でもありません。目的、投資対象、資金の使い道、選んだ理由によって考え方は変わります。
あらかじめ金額や対象などを決めた積立も、値下がりを取り返そうと、その場で同じ株を追加する行動とは分けて考えよう。どちらも利益や元本は保証されません。
学ぶ意味は、上がる株を当てることだけじゃないよ。気持ちが動いたときにも、数字と理由に戻って考えられること。それも、自分と暮らしを守るための力になります。
今日の一歩を、
ひとつ選んでみよう。
今日の例なら平均900円、購入代金の合計18万円。この2つを書くだけでも、違うものを表す数字だと確かめられるよ。
※選んだ内容は送信・保存されません。個別の売買判断を示す診断ではありません。
実際に株を買わなくても、今日の架空の数字を比べる練習はできます。わからない点をひとつ見つけて、本や資料に戻る。それも、立派な行動だよ。
参考資料・計算について
2026年10月14日確認。一般的な金融学習のための記事です。1,000円で100株を購入し、800円で100株を追加する架空の現物株の例。手数料・税金・配当などを考慮しない単純計算で、現実の投資成果や推奨売買を示しません。
感情に任せた買い増しについて考える素材として『マンガでわかるテスタの株式投資』p.86を参照。この記事の数字、説明、体験UIは独自に構成しています。
金融庁「資産形成の基本」― 暮らしに合う資産形成と金融商品のリスク
株式は元本割れする可能性があります。生活設計や資金の使い道を確認し、平均の買値や値下がり幅だけで判断しないようにしよう。


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